更年期障害に対するマカの効果

更年期障害に対するマカの効果

更年期障害に対するマカの効果
マカは女性の更年期障害に伴う症状のうち、いくつかの症状に効果があります。

しかし、マカは女性の更年期障害の原因である女性ホルモンの減少に直接作用するわけではないため、 更年期障害の全ての症状に効果があるわけではありません。

ここではマカの効果のうち、女性の更年期障害に対するマカの効果について、 症状別の対効果、なぜ効果があるのか(ないのか)、マカの成分、作用秩序、更年期障害に効く他のサプリメントなどについて解説しています。

女性の更年期障害の症状とマカの効果

マカは女性の更年期障害のうち、主に不安や抑うつの症状に効果を発揮します。
一方、月経異常の多くの症状には人によって症状が悪化する場合があるようです。
詳しくは、マカは妊娠に効果あり?をご参照下さい。

女性の更年期障害の症状とマカの効果
更年期障害の症状 マカによる効果
不安・抑うつ イライラ いくつかの検証実験により、マカによる効果が認められています。
不安
うつ
物忘れ
不眠 不眠症治療にも有益とされ、効果を感じる人がいる一方、エネルギーを作り出す効果により、逆に寝れなくなったとの報告もあります。
自律神経系 ほてり いくつかの検証実験により、マカによる効果が認められています。
ドキドキ × マカの副作用の一つに心拍数の増加が挙げられます。
冷え性 冷え性が治ったという経験は多数認められるものの、あまり効果がなかったという人も存在します。
発汗 いくつかの検証実験により、マカによる効果が認められています。
月経異常 月経異常 不妊治療にマカを服用する女性が増えた結果、更年期以外での周期変化(それまで乱れたことがなかった生理周期が乱れてしまった)などの投稿がいくつか散見されます。
不正出血
周期変化

不安、抑うつを抑える

マカは不安や抑うつといった症状を抑えるのに効果があります。
2008年オーストラリアでの研究によると、 14人の閉経後の女性が6週間、粉末マカ3.5グラムを摂取したところ、 マカは、不安や抑うつを大きく軽減した、と発表しています。
また、ラットを使った実験において、 黒マカ、赤マカ、黄マカを処方し抗うつ活性の試験を行ったところ、 全てのマカでうつ症状に効果があり、特に黒マカで顕著な効果があったと結論づけています。

ほてり、発汗

ほてりや発汗は、更年期による女性ホルモンの減少以外に、 ストレスや緊張による血圧の上昇が原因となりますが、 マカはこの血圧を抑える効果があります。
ブラジルのポンティバルパライソのカトリック大学で行われた研究によると、 マカやショウガは高血圧を大幅に抑える効果があると発表しています。

抗酸化、コレステロール、骨粗しょう症

マカの根は、人間の体内に存在する活性酸素を抑制する効果的があります。
また、体内のコレステロールレベルを制御し、多くの心疾患の予防に有効であるとされています。
その他、マカには、シリカ、マグネシウム、及びカルシウムなどの骨組織の生産に有益な有効成分が多く含まれ、 更年期の骨粗しょう症を軽減します。

マカは女性ホルモンとは関係ない

女性の更年期障害の直接の原因は、 エストロゲン、プロゲステロンなど女性ホルモンの減少ですが、 マカはこの女性ホルモンの分泌量にほとんど影響を与えません。

また、植物性エストロゲンのように、エストロゲン受容体を刺激して、 エストロゲンと同様の効果をもたらすエストロゲン様作用もありません。

マカ摂取は女性ホルモンの分泌量に影響を与えない

オーストラリアのビクトリア大学において、 40歳以上の閉経後の女性に12週間に渡って3.5gのマカを投与したところ、 女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の量に変化はなかったものの、 不安、抑うつ、性機能障害が優位に改善したと報告しています。

一方、 他の実験において、マカがエストロゲンの分泌量を少し増加させたとする報告もあるものの、 その量は生理的に分泌されるほど強力ではなかったと結論づけています。

その他の多くの実験においても、 マカと女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌量に相関はなく、 マカの効果はエストロゲンおよび、プロゲステロンとは独立した作用であると結論づけています。

マカは植物性エストロゲンではない

また、マカは植物性エストロゲンでもありません。
豆乳(大豆食品)やヤマイモ、ホップ、大麦など、一部の食品は、植物性エストロゲンと呼ばれ、 人体が分泌するエストロゲンと同様の作用があることが知られていますが、 マカは植物性エストロゲンではないため、マカが更年期障害の症状を緩和する作用秩序は異なります。

マカの更年期障害への効果はアダプトゲン

マカの更年期障害への効果はアダプトゲン
マカが女性の更年期障害の症状の幾つかに効果があるのは、マカのアダプトゲンとしての作用によるものです。

アダプトゲンとは

アダプトゲンとは、古来より、 中国やインドで漢方やアーユルヴェーダで使用されていた薬草のうち、以下の効果があるものの総称です。

アダプトゲンは、生きていく上で精神あるいは肉体のバランスが崩れた時に、 安定性および恒常性をもたらすもの、と定義されています。
具体例として、ストレスに対応して身体の抵抗性を高めたり、細胞の損傷を防ぐ効果などがあります。

また、別の表現では、 アダプトゲンとは、不安やイライラといった精神的ストレスと、 エネルギー不足、倦怠感など肉体的疲労に対して、 身体の抵抗能力を高める天然の漢方と称されます。
この作用によって、女性の更年期障害を始め、副腎疲労や他の疾患の症状を緩和、治癒するとされています。

アダプトゲンの有効成分

アダプトゲンと考えられている朝鮮人参、マカといった漢方は、 その効用により非常に人気があるものの、 その具体的な有効成分や作用秩序は明確になっていませんでした。
しかし、最近の研究により、有効成分や作用秩序が少しずつ明らかになってきています。

アダプトゲンの有効成分とその効果
有効成分 効果・効能
テルペノイド 抗菌性、抗腫瘍性、コレステロールの減少
フェニルプロパン セサミンやリグナンなどの抗酸化作用
オキシリピン 酸化的ストレスからの保護、ストレス応答遺伝子の発現を活性化

その他、マカは スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の産生の増加により、 身体の生得的応答を増加することなどもわかってきています。


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